9月19日(土)~28日(月)雨宮沙紀 染色展『水色世界』


土、日、月曜日 13時~17時開廊
 化学を学んだのち、「どうしても色にかかわりたい」と染色を学び直した雨宮。これが染色!?と信じられないほど細密な花や野菜は、視線をクギ付けにして離しません。さらに染めた布で新たな空間をつくる体験型インスタレーションも。新しい染色の世界をお楽しみください。
⚫︎作家から⚫︎
●染色への道
 幼い頃から塗り絵に夢中になるなど「色」が大好き。この気持ちは今も変わらず、制作するうえで一番のモチベーションとなっている。
 大学では化学を専攻していたが色への想いは尽きず、在学中から独学で色彩検定を取得したり、卒業後もカルチャースクールなどで色彩の知識を様々に学ぶ。
 色彩知識が増える中で、ある時から自分で色を生み出したいと思うようになり、染色を学ぶため京都の通信制大学に通う。油画、水彩、日本画などの絵画表現ではなく染色を選んだのは、バインダーを含む顔料より、化学反応で生地に直接結合する染料の透明感と奥行のある色味に心惹かれたためだ。
在学中は伝統的な技法、絞染、型染、ろうけつ染、友禅染、またシルクスクリーンなど様々な染め方を学んだ。伝統技法で染色することも楽しいが、私はついオリジナルに展開してしまう傾向にある。これを用いてこのように染めたらこんな表現ができるのではないか…という想像のもと、実験するように制作工程を組み立てて創造する。好奇心に突き動かされ、それが今の作品につながっている。
シンプルで直感的な思いをもとに、形を追い求めること、色を楽しむこと、偶然性も取り入れながら制作している。
●水色世界という個展タイトルについて
 染色は水の扱い次第である。私にとって色と同じくらい重要なのは水の存在だ。
刷毛を用いてぼかすのは技法であるが、水分が多くて色が布の中で動いてしまうにじみ、寄りは良くないものとされてきた。
 しかし私は意図せず現れる滲みやかすれ、色の寄りをとても美しいと感じる。この色と水が介在して起こる現象的側面を表現として作品に落とし込みたいと思っている。
水の特性を理解し、生地や染料との相性、気温や湿度、天候や季節による違いを把握していく。その知識と経験で、時に構築的に、時に即興的に、色と水とで遊ぶように染めを楽しみたい。
●「たまねぎ」「バラ」などの作品技法は
 染色で作品を作るとき、多くは「防染」という手順を経て染まる部分と染まらない部分に分けて染色していく。防染(わかりやすく表現するとマスキング)に用いた材料は最終的に洗うことで布から除去される。型染ではのり、ろうけつ染では蝋が防染材である。洗い、乾燥させて初めて、染めたものの色味や全体像が分かる。 
 この作品では、防染をタックフィルムという布用の大きなマスキングフィルムで行なっている。これを布に直接貼り付け、染めたい部分の表面のフィルムだけ布を切らないようにカッターで切り抜き色をさしていく。
これを色の濃い部分から薄い方へ繰り返して全体を染めていく。
【略歴】
1979 山梨県生まれ
2002 山梨大学工学部 物質生命工学科 卒業
2017 京都造形芸術大学(現京都芸術大学)通信学部 美術科染織コース卒業
【グループ展】
2013 「うずのみ芸術祭」山中湖交流プラザきらら、山梨県
2017 「和楽の彩展」寺町美術館ギャラリー、東京都
2018 「Hiro hiro 染展」町家ギャラリー、京都府
2019 「第4回 タナツハタメラ染織展」みなとみらいギャラリー、神奈川県
    「ituiro towa 展」みなとみらいギャラリー、神奈川県
2022 「第5回 タナツハタメラ染織展」横浜市民ギャラリー、神奈川県
2023 「第2回 染 ituiro towa 展」みなとみらいギャラリー、神奈川県
2024 「第17回 京都芸術大学甲信越会作品展」松本市美術館、長野県
   「The 39th NOWHERE 2024」山梨県立美術館、山梨県
2025 「第18回 京都芸術大学甲信越会作品展」松本市美術館、長野県
   「第10回 大菩薩の風ビエンンナーレ」山梨県甲州市大久保平の各会場
   「第3回 染ituiro towa 展」みなとみらいギャラリー、神奈川県
   「Dal Vent〜風によって」銀座えすぱすミラボオ、東京都
2026 「第19回 京都芸術大学甲信越会作品展」松本市美術館、長野県
   「The 41th NOWHERE 2026」山梨県立美術館、山梨県
   「大菩薩の風ワークショップ」山梨県甲州市大久保平の各会場
   「ゆこもりアートクエスト」手仕事扱い処ゆこもり、長野県