6月5日~21日 坂尻佳恵「思春期」

21坂尻作品小サイズ毎週土、日、月 12時~17時

坂尻佳恵は1976年愛媛県生まれ。大阪芸術大学を卒業し、2012年ごろから廃屋を描き始めていましたが、やがて廃屋から剥がされた板戸やふすま、障子枠などに直接絵を描き始めました。それは東日本大震災の影響もあり、人の営みの痕跡に寄り添う気持ちがわいたからだといいます。上野の森美術館での「日本の美術展」では審査員特別賞、またタガワアートビエンナーレ「英展」入選などの実力をもち、作品には爽快感ともいうべき説得性があります。2017年より北杜市小淵沢町に住み、思春期のふたりの子供を育てるなかで、親の目からみた彼らの自立へのエネルギーを描いたのが今回の作品です。

作家のステートメントより
廃材を譲り受けてまず洗います。それでも落ちない汚れが存在しますが、
それこそ歴史の一部だと捉え、ありのままの画面に描きました。
時に廃材の汚れは絵の具をまだらに弾くので、均一に描けません。
その分の苦労もありますが、そのものの味に助けられたり、より深みを追求できる素材に魅了されました。
すでにある記憶と対話するように描く心地です。また、廃材というのは、もう捨てられるものでもあり、くすぶっている命を拾ってみたいという気持ちもあります。