9月4日(土)~27日(月)畑口勇人 Wicked and Lazy

写真家の父とファッションデザイナーの母の間にミラノで生まれ、カリフォルニアでアートを、のちに東京で醸造学を学んで10年前北杜市に移住した畑口。34年間の多彩な人生が生み出したのは猫や人を思わせるワイヤーと木片のオブジェ。先人たちの言葉とのコラボによって詩的で思索的でもある世界を見せます。

畑口勇人プロフィール
1987年 イタリア·ミラノ生まれ
2005年 米国 California Institute of the Artsに留学
2008年 アパレルブランド「PLAIN PEOPLE」のプリント柄·ファブリックデザインを手掛け始める
2010年 PLAIN PEOPLE青山店「ANIMALIS PACIFICUS」
同年よりアパレルブランド「FRAPBOIS」のプリント柄のデザインを始める
2011年 雑誌「DEPARTURES」の別冊号「宝石という名の芸術を探して」と「時の歴史を旅する」の表紙にワイヤーアートの柄を提供
2012年 東京農業大学·醸造科学科を卒業
同年 青山ギャルリーワッツ「Tools」
同年 山梨県北杜市に移住
2015年 CLASKA Gallery & Shop“DO” 渋谷パルコ店「Artefacts」
同年 古道具屋「unlearn」をオープン
2020年 PLAIN PEOPLE青山店「Just so」
2021年 PLAIN PEOPLE青山店「Constellation」

Wicked and Lazy 
デイヴィッド・バーンの楽曲の中に「Lazy」という好きな歌がある。
I’m Wicked and Lazy 「ぼくは不埒で怠け者」という意味だ。
愛することにも怠け者 話すことにも怠け者 祈ることにも怠け者 と歌詞は続く。
古代ローマの哲学者・セネカは、閑暇を楽しめない人(隙間の時間も用事で埋め尽くそうとする人)は、自分自身と向き合うことを避けていて、それを「不精な多忙」といっていた。
と、不埒な怠け者の自分は心のなかで呟くのである…

畑口勇人

8月7日(土)~23日(月)坂本泉Inside-Out Needles


アルプス雪解け


カントリーペイント作品

日用品やファウンドオブジェクトを素材にインスタレーションを制作し続ける坂本泉。今回は紙に刺しゅうを施してその裏側を見せるInside-outシリーズを発表。きれいに見える名画の裏側、完成とプロセス。ひっくり返すことで意識の裏にある無意識を見たい欲求。世界の見方を問いかけます。
サプライズとして坂本が90年代に暮らしたアメリカで制作したカントリーペイントも展示します。ギャルリの元オーナー天沼寿子へのオマージュです(天沼については当ホームページの沿革らんに)。

坂本泉プロフィール
山梨県甲府市生まれ
女子美術大学卒業
美術館勤務、教職を経て2001年からアート作品制作を開始
2005年からアーティストレジデンス山梨「エアリー」代表をつとめる。

作家ステイトメント:
私の美術表現の大きな動機は、毎日の生活者としての存在の中にあります。アートが私たちの暮らす社会で身近に存在することを示すために、日用品やファウンドオブジェクトとアートの価値を結びつけます。
現代社会では従来の典型的・規範的な生き方のイメージが大きく変わってきました。未経験の新しい時代へ踏み出すための、新たな価値感と希望を見つけることが私が現在アート制作をするテーマです。
ブログ→ https://izumimuzi.exblog.jp/i0/

今回の展示への思い:
糸や布、紙は育つ環境の中で常に身辺にあった身近な素材でした。そしてなぜ紙なのかと問われれば、紙に針を刺す瞬間のスリル、違和感、やり直せない(刺し直せない)緊張感に惹かれます。支持体それ自体が自立するのも紙の魅力です。またアートと手芸の境界を探ってその境界を崩す意図や、針仕事は女のものか、と問う意図があります。
今回作品のモチーフにしたいわゆる西洋名画は昭和時代にアートを志す者にとって手本でした。過去の見知らぬ国の風物と人物。それら美術の伝統は自分からは遠い所に存在する尊敬と憧れの的であり、自分の手の届かないもどかしさにも似た感情がずっと私の中にありました。今、年を経て世界を旅し人生を重ねた結果、少しは見えてくるものがあるかもしれません。まだ見たことのない新しい世界を自分の手で作り出してゆく行為はアートに携わる者に許された最高のギフトと思いながら制作しています。

7月3日(土)~19日(月)荒木イチオ ヒーリングドロップ

    荒木イチオは木材、鋼材、コンクリートなど、さまざまの素材を駆使する美術家です。その立体的で変化に富んだ作品にはいつも驚きと楽しさがあります。鴨川高校エントランス壁画、東京練馬光が丘エントランスホール壁面、東京世田谷レストランfeel壁面制作などパブリックな作品を手がけているのも、ファンタジーとドラマティックが共存する作風ゆえのことでしょう。今回の作品展では杉板にアクリル絵の具を使います。ギャルリは小さなテーマパークになります。

    略歴
    1954年函館生まれ

    多摩美術大学油画科卒

    2010年より山梨北杜市小淵沢に移住

    赤坂乾画廊個展

    銀座ギャラリーpusse個展

    新宿ギャラリー玄海個展

    西武デパートグループ展池袋、渋谷

    大丸デパートグループ展東京

    東急デパートグループ展 二子玉川

    目黒美術館 グループ展

    清里フォトミュージアム グループ展 

    日中交流展 上海、甲府、市川大門

    甲府一高グループ化

    甲府元麻布画廊グループ展

    長坂おいでや 個展、グループ展

    山梨県美術館県民ギャラリー グループ展

    作品展への思い 
    荒木イチオ

     もう5年ほど前のことですが、八王子のできたばかりの道の駅に立ち寄った時、甘い香りを漂わせている青森りんごのマルシェに出会いました。その時その傍に積まれていたりんご箱にも、懐かしく目を引かれました。我が家では冬が近付くと、この青森りんごをこの木箱ごと一箱買ってきて、玄関脇の納屋に納めるのが習慣でした。また、東京で一人住まいを始めた頃、家具など何もなく、どこでもらってきたのかりんご箱をしばらくテーブル代わりにしていたものでした。そんな思い出をひと時めぐらし、「この箱いただけますか?」と店員に伺うと、気安く「どうぞ!」と返事をもらえたので、3箱両手に抱えられるだけもらって帰りました。
    しばらく家で放置して眺めていたのですが、しだいに箱の形の面白さに惹かれ出しました。外の形、内の形、外の空間、内の空間。色を塗ったら、どんなだろう、という衝動で色を塗りはじめました。
    模様、絵柄ではなく、箱の存在と共鳴するだけの塗り。
    これはとても楽しく、新鮮な体験でした。
    また、この頃、滴り、雫、という状態に興味を持ち始めていました。
    滴り、雫にはミクロからマクロまで、さまざまなシーンに想いをめぐらされ、そんな面白さの表現にチャレンジし始めていました。
    今回の展示作品は、りんご箱の板の物としての面白さと、それが暗示する、箱としての空間を持つ面白さ、そこに、雫、滴りという悠久の時をめぐる妄想を合わせて表現することへのチャレンジです。

6月5日~21日 坂尻佳恵「思春期」

21坂尻作品小サイズ毎週土、日、月 12時~17時

坂尻佳恵は1976年愛媛県生まれ。大阪芸術大学を卒業し、2012年ごろから廃屋を描き始めていましたが、やがて廃屋から剥がされた板戸やふすま、障子枠などに直接絵を描き始めました。それは東日本大震災の影響もあり、人の営みの痕跡に寄り添う気持ちがわいたからだといいます。上野の森美術館での「日本の美術展」では審査員特別賞、またタガワアートビエンナーレ「英展」入選などの実力をもち、作品には爽快感ともいうべき説得性があります。2017年より北杜市小淵沢町に住み、思春期のふたりの子供を育てるなかで、親の目からみた彼らの自立へのエネルギーを描いたのが今回の作品です。

作家のステートメントより
廃材を譲り受けてまず洗います。それでも落ちない汚れが存在しますが、
それこそ歴史の一部だと捉え、ありのままの画面に描きました。
時に廃材の汚れは絵の具をまだらに弾くので、均一に描けません。
その分の苦労もありますが、そのものの味に助けられたり、より深みを追求できる素材に魅了されました。
すでにある記憶と対話するように描く心地です。また、廃材というのは、もう捨てられるものでもあり、くすぶっている命を拾ってみたいという気持ちもあります。

 

5月8日(土)~24日(月)小林さちこ・YasuoMaeda二人展 re-action

21年小林さちこ作品2
5月8日土曜日から24日月曜日までの
毎週土日月・12時から17時まで

小林さちこの天使の塑像とレリーフ、Yasuo Maedaの写真のコラボレーション展示です。 スペイン、ポルトガルなどの味わい深い風景をバックに愛らしい天使たちが並びます。

作家プロフィール
こばやしさちこ 造形作家
北九州市生まれ。女子美術短期大学卒業、同校の助手を経てペパークラフト作家として活動。カレンダー、ポスター、雑誌の表紙や、テレビアニメーションなど幅広いメディアで活躍する。ここ数年天使をモチーフにし、2018年ごろからは塑像として立体の天使を手がけている。北杜市明野在住。

やすお まえだ 写真家
1959年神戸市生まれ。早稲田大学在学中に単身で巡ったヨーロッパの歴史ある街並みに魅了され、渡欧して撮影する。イベント、クリエイティブを生業とする会社を経営する傍ら、20年前から写真集、グループ展で作品を発表している。山好きが高じて明野に移住。小林さちこ氏とはご近所の間柄。

2021年4月3日土~19日月 ピリオド 関亮彦(せきあきひこ)展


毎週土・日・月 12時~17時まで

昨年夏、突然48才の若さで生涯を閉じた関亮彦の作品展です。東京都出身、長野で5年の木工、漆芸修業ののち、現代アートの作家として画廊の企画展も数かず行って、独自の世界を築いてきました。八ヶ岳南麓の里山のアトリエには彼特有の油絵やアクリル絵の具を使い漆芸で学んだ鏡面仕上げの美しい平面、立体作品が残されていました。
以下はDMに記した先輩の美術家上野玄起さんの言葉です。
本人も予期しなかったであろう死の後には
新たな表現活動に向けて準備をしていた様子が残されていました。
同じ美術家として今できることは
彼の美術家としての活動にピリオドを打ってあげること。
この展覧会がそのピリオドになってくれれば。
そしてピリオドの先、
残された作品が次のセンテンスを作り始めることを期待して。

10月3日(土)~19日(月) 今井和世・SHIZUKA  Flow_ Flora


今井和世 草の馬(版画)


SHIZUKA heart(brooch)

10月3日(土)~19日((月)
毎週土・日・月 12~17時
作家在廊日 土・月曜日

姉のSIZUKAは手染めの糸の刺しゅうで、平面作品とアクセサリーを。
妹の今井和世は水彩画と版画で。自然や人の想いの流れを表現しました。

いまいかずよ 水彩画家 版画家
1999年より八ヶ岳在住、自然豊かな暮らしのなかで野の草花、 鳥、虫などをモチーフに独学で水彩画を描きはじめ、『和光』のPR誌の表紙などメディアでも活躍する。2011 年から毎年デンマーク・ボーンホルム島と八ヶ岳を行き来しながら制作。最近は馬やアルパカをモチーフにした版画作品にも力を注ぐ。
今展では水彩画と版画、合わせて約20点を出品。

しずか 工芸家
1972年生まれ.今井和世の姉。 女子美術大学工芸科卒、国画展工芸入選などの経歴をもつ。八ヶ岳南麓には2000年~2003年在住。大胆さと繊細さがミックスした新感覚の染織作品で人気を得る。結婚により埼玉に移住、イグレグでの展示は一昨年以来2回目となる。
今展では、手染めした糸などを使った抽象刺しゅう作品を発表。平面作品のほか、ブローチや首飾りも展示。
★10月9日(金曜日)午後3時よりギャルリのガーデンで里花さんの弾き語りライブを行います。
里花さんはMISIAや石川さゆりなどに楽曲を提供しているシンガーソングライター。
入場料2500円(終了後お茶タイム) 申し込みはギャルリへお電話またはショートメールで。080-6531-3131
当日は閉廊し、作品鑑賞はライブ参加の方のみになりますのでご承知おきください。

9月5日(土)~21日(月)生まれるアート展 VOL.6を開催します。


NHK番組no art,no life (毎週水曜日午後10時45分から)で障がい者アートの現場を見て、生きることと創作が絡まりあった姿に感銘をうけた方も多いことでしょう。先日イグレグを訪れた高名な画家は「どうしたらあんな絵が描けるのか(障がい者の作品の)模写をしてみたこともあるんだよ」と打ち明けてくれました。アール・ブリュットの名でも語られる彼らの作品はこれからの時代に欠かせない多様性のお手本かもしれません。本展は、山梨の障がい者の芸術活動を支援する山梨・人ねっこアートワークの活動の一端として行われるアート展です。5つの施設から7名、無所属2名の作家が参加します。内容は水彩、インク、鉛筆、マーカー、パステル使用のほか版画を含む150点の平面作品と陶芸作品です。
★9月12日(土)午後5時から やまなみ工房ドキュメント映画『地蔵とリビドー』上映会を開催します。先着10名様 入場無料

7月4日(土)~27日(月)福田昌湜展『路上にて3』を開催します

20福田展画像
画像は「路上にて2020/04」 アーカイバルピグメントプリント 182×273mm

ありふれている風景なのに目が吸い寄せられて「いま、ここに」いることの意味まで思いいたらせる福田作品。路上をさまよいながら建物や道路などの調和が完全に整ったまさにその瞬間を写し取っているからでしょう。ギャラリーを出た後、コロナ以後のあるべき心が見えてくるかもしれません。
カラー中心にモノクロを加えた33点と、前回好評だったミニエッセイの新作を配しました。

毎週土・日・月曜日 12時~5時まで 福田は土・日に在廊します

6月4日(土)~29日(月)は末永恵理world of matterを開催します

20年末永恵理作品画像1
1971年東京生まれの末永恵理は東京藝術大学で油画を、同大大学院で壁画を学び、約20年前に長野県富士見町に移住しました。木や森に宿る魂を描くうちに点描に変化、物質のミクロの世界の原子や、その間の波動が対象になりました。八ヶ岳美術館やポーランド・ワルシャワなどの展示を経て、純度を増した作品をごらんください。